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素材を訪ねる旅〜鉄工〜in富山

素材を訪ねる旅シリ−ズ第7弾。鉄工をテーマに9月中旬1泊2日で
富山方面へ行ってきました。
まずはアルミサッシの製造過程を見学、YKK AP株式会社の工場へ。
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ファスナーで有名ですね。世界の45%のシェアを保っているそうです。
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YKK AP とは、吉田工業株式会社 アーキテクチャルプロダクツ の略称が社名に
なったとは。 写真撮影が禁止されていたので過程を写真で紹介出来ないのです。

2時間程のスケジュールでファスナーの歴史からアルミサッシ部材のアルマイト処理
までを見せていただきました。

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その後、外部からの見学でしたが、富山市内に昨年完成した「高志の国文学館」を
見学し、氷見の民宿へ

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季節はずれでしたが、新鮮なお魚に舌鼓、大満足です♪

次の日、民宿のすぐ近くは海。朝日が眩しい中散策を。
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漁から返った漁師達も船の上で朝食を食べていました。

氷見のマンホールはぶりのデザイン。面白いですね。
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そこからすぐ近くに、国指定史跡の日本最古の洞窟住居の跡がありました。
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地層が6層になっていて、その層ごとに時代が変わり
縄文時代から鎌倉・室町時代まで生活が営まれていたようです。

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その層は大地震で崩落した跡とのこと。 この地域でも繰り返し地震に
見舞われていたとは。 日本には「未曾有な地震」のコメントは通じないですね。

そして、時間を経てまた人々はこの場に戻り、生活する形跡が。。。
それも古代から続く日本人の習性なのかしら。

2日目は高岡市、鋳物の街へ。

錫の作品が注目の「能作」の工場を見学させていただきました。
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今までは仏具が主な鋳物製作を行っていたが、これでは生き残れないと
新分野のテーブルウェアーを製作。小泉誠氏にデザインを委託して現代に合う
商品を創り出しヒットしている会社です。

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丁度鋳込みを行うとのことで、いいタイミングで見学。
600°まで熱した錫を型に流し込んでいます。
錫の柔らかさを利用して、曲がる、変化する器を展開しています。
デメリットを上手く転換したアイデアですね。

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ろくろを廻して、綺麗に仕上げていきます。
若い職人も多く起用し育てる社風もいいですね。

その後、観光でも有名な瑞龍寺へ、前田利長の菩提寺であります。
壮観な伽藍社寺建築が保たれているのは、廻りにそびえるビルが無い風景
だからかも。 と写真を撮りながら感じました。

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その後、高岡大仏や長谷川逸子氏が手掛けた大島絵本館へと廻って名古屋へ戻りました。

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2013.09.24 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

京都フィールドワーク

京都の2日目 朝まで続く雪で中庭も白化粧
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集合場所へ向かう途中、京都府庁への並木道の美しい風景
に見とれます。
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フィールドワークのテーマは「京に受け継ぐ伝統の技」
まずは、よしやまち町家へ 建築専門学校の校舎として耐震補強
を施した町家を見学。棟梁のお話を伺いました。
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町家の雰囲気を壊さないように耐力格子を入れたり小屋部分の
補強が見えるようにして、学校の活動場として再生されました。
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その後、横山竹材店へ。
お茶室など昔ながらの製法を守りながら、小物や照明器具のデザインを行い、
販売や体験教室を開催するなど、竹を軸に幅広く展開しています。
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竹で出来たゴミ箱。このような需要も京都ならでは!ですね。
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横山竹材店

その後、京からかみを製作販売をする山崎商店へ。
丁度名古屋のからかみ屋さんに見本帳を取り寄せお客様と検討を
しているところなので、興味深くお話を聞き入ります。

版木にフノリをふるいでまんべんなく馴染ませて、和紙を上に重ねて
手でやさしく押さえて模様を転写していく。
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手でやさしく押さえるからでしょうか。 なんとも色の付き具合が
柔らかで、いつまでも眺めていて飽きがこないのです。

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障子のからかみ。光を通して見える模様も素敵ですね。
京からかみ 山崎商店

最後は山田松香木店へ。
香木を専門の薬業として江戸寛政年からの老舗。
良い香りで鎮静効果があったり、自立神経の活動が
活発になったり、昔は薬の一種として扱われていたのですね。

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ぎっちり並ぶ小引き出しは薬屋さんの名残。これだけ香りの元が
ある事もびっくり。
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その中でも手に入りにくい、伽羅、沈香、白檀が並びます。
山田松香木店

昔ながらの伝統を守り、現在に繋げている老舗をめぐり、共通して
いることは、頑固な部分と柔軟な発想を持ち進化し続けていること。
そして、その専門職の中で一番と自負する姿勢でしょうか。

便利になったからこそ、手作りの良さや温かさを伝える担い手でありたいですね。




2012.02.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

葭を見直す旅~近江八幡へ

素材を訪ねる旅の企画第3弾目「葭を見直す旅~近江八幡へ」
と題して、節約を意識するこの時期に見直されている素材
すだれやよしず、夏建具の素材となる葭を訪ねに行きました。

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葭生息地 琵琶湖の西の湖に面する円山町。
葭と農業による生活に密着した環境保護で重要文化的景観として
第一号に選定された地域です。水郷と葭原が続く風情ある場所。
建築素材としての良質な葭が自生しています。

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葭の地主で葭博士と呼ばれる西川嘉廣様と嘉武様にご案内していただき
葭の生息や一年を通しての生産過程、材料としての知識をお話いただきました。
たとえば、
◎茅葺きでも葭葺きは材料の持ちがよく、虫がつきにくい為最高級といわれている。
◎ 葭を刈り取ってから100~200年寝かせても品質が変わらない材料として使える。
◎ 毎年成長し刈り取る為、循環する枯渇しない環境的に優れた材料である。
◎ 大量の水を要して成長するが、毎年刈り込むことで水の浄化作用がある。
◎ 沢山の生物が巣をつくり生態系の保全に役立っている。  などなど。

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西の湖の葭原を大切に守り、伝え継ぐ想いを強く感じ日本の原風景や素材を
残していくには、このような方々のチカラが必要なことを痛感しました。

午後には、よしずやすだれを加工販売する株式会社タイナカの工場見学へ

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20年以上前に収穫した葭も倉庫に保管されています。
毎年葭の質が違い、この数年は質の良い葭が収穫出来ないようで
環境の変化にとても正直なようです。
西川先生のお話にもありましたが、環境を壊すことは一瞬だが、再生する
には数十年の年月が必要だと。。。
人間の都合で簡単に壊してはいけない事が沢山ありますね。

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加工工場ではすだれを脚踏みの機械を使って1本1本編んでいました。
注文を受けてから製作を行うとのこと。幅や長さなどオーダーに答えて
くれます。
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手作りならではの風合いを感じます。
節や穂先を見ながら編んでいくので、しっかりと長持ちする出来映えです。
ホームセンターでは中国産の格安のすだれが流通していますが、質や寿命が
2~3倍以上違ってくるのがこのように作る過程を知ると良くわかります。

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今年の節電効果もあり、フル稼働で忙しい様子が嬉しく映りました。
そんな中に団体でお伺いして申し訳ございませんでした。

猛暑日だったので会長様のお気遣いで隣接するお宅へ避難。
冷たいお茶を頂きながら葭のお話を伺いました。

中空なので、虫が着きにくく乾燥しやすいのが特徴。
良い葭は粘りがあることや、関西と関東では簾戸の作りが違うなど
建材として興味深いお話が聞けました。

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国産葭は高級素材と思われがちですが、この様に直接加工会社と繋がる
ことで、オーダーが可能な手に届く材料であることを知り、私たちが積極的に
使っていくことが、地域や環境の保全にも繋がっていることを実感しました。
株式会社タイナカ

2011.07.21 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

障子紙を買いに小原村へ

障子紙を購入する為に小原村へ向いました。
この季節、和紙や紙幣の原料となる三叉の花が満開でした。

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三叉の由来、枝が3つに分かれているとのこと。たしかに!

何度か通っている「和紙のふるさと」で国産楮を使って竹簾による本手漉き
和紙を漉いていただきました。

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今回は横桟の雪見障子に張るため、シンプルな素材そのものの色をした和紙
を依頼しました。直接購入するので良質な和紙が市場で買うよりずっとお値打ちです。

大判を依頼する時は金簾を使いますが、竹簾は最大で600mm×900mm
1本の障子に3枚使うことになります。
漉いた後和紙を重ねて圧力を掛けて水分を抜く為、金簾より丈夫な紙が仕上がります。

職人さん曰く、和紙も漉いてから平たく寝かせて保管することで、
漆や樹木と同じように時間を掛けて強くなっていくようです。面白いですね。

帰りみち田園風景の中で沢山泳ぐ鯉のぼりに遭遇。

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それぞれ個性的な泳ぎ方が楽しく立ち止まって見入っちゃいました。
日本の里山にしっかりと季節の風物が残っているのが嬉しいですね。


2011.04.22 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

素材を訪ねるシリーズ「美濃へタイルの製作過程を知る」

JIA(社)日本建築家協会の事業として「素材を訪ねる旅」
近郊の素材が生まれる場所を訪れる企画を行っています。

この企画の主旨として
実際に足を運び体験を通して素材を学ぶ。
意識されなくなった物を再認識する。
実際に扱っている職人さんを通して素材の魅力を探る。
時代に流されない「素材」を見直すことの重要性を知る。

素材の生まれる場所に立ち会い、製品になるまでの過程を知る。
その上で建材としての扱い方を理解し現場に生かすことが出来れば。

また製造者と使い手とのコミュニケーションが生まれることで、
新しいマテリアルの展開に発展することができれば。

今まで培ってきた日本の素材を見直す思いとアプローチ方法を
個人的志向だけでなく、このような事業として組立ました。

シリーズ第一弾はタイル。
多治見市笠原町だけで日本の製作の70%を担っています。
製作の過程が異なる2工場を巡りタイルの可能性を探ります。

企画のナビゲーションとして協同組合ケーエスジー(旧称笠原陶磁器商業組合)
http://www.minoir-ksg.com/
とオーダータイルを扱っているベイスの横井氏http://www.vase.co.jp/
にご協力いただきました。

JR多治見駅に午前10:00に集合 
昨年に完成した新駅舎の外壁やトイレのタイルの説明を伺い、
まずは笠原町へ向い高山製陶株式会社の工場を見学。
乾式工法による大型床タイルの製作。土の配合からプレス、釉薬の吹付け、
焼成までオートメーションで行い、自社ブランドだけでなくいろいろな
タイルメーカーからの注文に応じています。

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年に数回イタリアから指導者を招き新商品の開発を行っているとのこと。
日本の技術や発想が優れていると思っていたが故、
イタリアが伝統と革新の国なのだと知りました。
ほとんどがオートメーション化されていましたが、最後の釉薬かけや
商品となる選別などは人の手や目視で行っているとのことで、
最後は人の裁量が必要なのだと思いました。

その後、笠原町にある十割そば処「桔梗」で昼食

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かき揚げとざる盛りを美味しくいただきながら、笠原町の歴史、
お茶碗の産地だったが高度経済成長期を境にタイルの産地へと
移行した流れなどを伺いました。

午後からは瑞浪市へ移動し、中村好文氏設計によるNPOで運営される
ギャラリー瑞浪工芸館を見学。

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茅葺き民家を移築して、外壁は漆喰を塗り、工夫ある木製建具を新設
(一枚の建具にガラス・板・ネットを組込みスライドすることで3つの使いが可能。
面白いアイデア!)センス良く小ぶりなギャラリーに生まれ変わっていました。


その後、瑞浪市の湿式押出形成タイルを扱う株式会社丸新へ

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注文に応じて土を配合、日本各地の土が大きな工場の中に保管されています。

土の原料を練り合わせ真空押出機でところてんの様に押出し、
細いワイヤーでカットし、乾燥後窯で2日掛けて焼成します。
土の配合やテクスチャー、タイルのカットなど人の手に頼る部分が多く
手間がかかりますが、ローテクな分自由な形状が可能となっています。

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丸新さんの工場が応接室から見えます。
以外にも!オレンジの屋根が続きヨーロッパの街並のような詩情的な風景。
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ことなる2工場を見学することで、今後タイルを使う都度製作風景が浮かびます。
焼物としての温かさを感じ、カタログで選ぶ事だけでなく、自由な発想で
オーダーが可能なことを知り、タイルと統一した笠木や照明カバーなど
デザインの製作も可能なのでは、とイメージがどんどん広がりました。

ツアー見学することで、参加者がタイル製作工場や協同組合との交流を深める
きっかけつくりとなればと思っています。
シリーズ第二弾は天然塗装と石の産地、岡崎へ素材を訪ねます。

2011.04.03 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

匠の塗油の製作過程を見学


いつも建てる建物のメーカーリストに上げている材料をもっと深く
知る機会をつくりたいと思って、製作現場へ出向きました。

岡崎市内に宮内庁御用達のまじめに油を精製する会社
太田油脂株式会社の工場があります。

昔ながらの製法で、天然材料にこだわり、身体に優しいオイルを作っています。
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食用油となる荏胡麻油に久米蔵と名する弁柄や松煙など、入手しにくくなった
日本古来の顔料を配合、天然材料にこだわった建築塗料は、木の艶を引出し、
外部に塗っても輸入塗料よりはるかに色あせしないことを知りました。

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太田油脂のギャラリー
外部の塗装は7年前に塗ったまま、西に面して紫外線を強く受けている場所
ですが、色あせがあまり見られなかったです。

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墨色が松煙 松の根の部分を不完全燃焼させてつくった煤(すす)を集めた
炭素黒色顔料配合の塗料。
久米蔵はべんがら 天然酸化鉄赤錆の顔料、耐熱、耐水、耐光性に優れ無毒で
人体にも安全な材料。名前の由来は久米蔵さんが調合した色だそうな。

まったく無添加な材料、匠の塗油シリーズ。 自然な艶色を出すが、濃度が高く
塗りにくい為、きちんと拭き取らなくては、いつまでもべたつきが残り、乾きも
遅いのが難点。

改良した塗装として、彩速シリーズがあります。
耐摩耗性のあるコバルト顔料を入れて、乾きと塗りやすさを出した商品。
含有率が0.1%だけですが、乾燥時間は半分に短縮され伸びも良く平米単価
を下げることも出来た商品。
人害の無い商品にこだわったメーカーとしては、断腸の思いで出した商品
だったとのこと。
データーではほとんど無害といえそうです。

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圧搾工場を見学。エゴマを入れて加熱し、絞り出したオイルが左下に見えます。 
シンプルな加工機械が8~10台並んでいます。

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絞りかすは植物の肥料として出荷。
オイルの固まる部分だけを抽出したワックスもあり、材料すべて利用、とても合理的。
捨てる部分がなく、すべて使い切る姿勢は昔では当たり前だったのでしょう。

頑固に守る部分と、現在のニーズに合わせた研究とを両方を持ち合わせるバランス
の取り方が、企業のこだわりとして出てくるのでしょうね。



2010.11.14 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

フォレスタイル

週末フォレスタイルでの住宅見学会へ行ってきました。

アトリエ祥建築設計の鈴木祥司氏による名古屋市内とは思えない
木立に囲まれた平屋建てのゆったりとしたお住まい。
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ふんだんに国産材をつかったご夫婦2人でのお住まい。
終の住処にふさわしい造りでした。

フォレスタイルとは、
東濃桧材など国産材を使った質の高い木造住宅を地産地送することで、
お値打ちに提供でき、企画からメンテナンスまでサポートする
岐阜県東白川村が運営するシステム。

提携設計士としてのお声がけをいただきました。
どのようなシステムなのかしら。参加することはLivのポリシーにあっている?

確認するためにも、まずは東白川村役場へ向いました。
桧の育つ森林に入り、森林組合、プレカット工場へとご案内いただき
システムの説明をお聞きしました。
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間伐材を定期的に伐採し、丁寧に育てられた80年ものの桧材

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住宅の構造材として東濃桧は、ほのかなピンクの赤目が美しく他の桧より強い為
よく採用させていただいています。

見学後一時間以上に渡り説明をいただきました。
◎桧材は高いと敬遠されるが、直接買い付けることで桧材の良さを知り、住まいに
 取り入れる機会をふやしたい。
◎腕を持つ職人が村には沢山いるが、昔ながらの住宅のニーズが減り、設計士と
 ジョイントすることで腕を発揮する機会を得る。
◎村が運営する為、良い素材、人材と住まい手を繋ぐことを目的とし営利に走って
 いない。
など、フォレスタイルのシステムが理解出来、共感出来ることも多く感じました。

今までも、和紙の産地を訪ねたり、直接石の採掘場で注文することを行ってきました
が、施主にとってオンリーワンの素材を購入することは、決して贅沢で特別な費用を
要するのではなく、逆に直接産地へ足を運び作り手と交流しながら素材を選ぶことは
良い材料をお値打ちに入手することが出来るのです。

そういう場や素材をこれからも増やしていきたいと思っています。
その流れの一つとしてフォレスタイルの提携設計士として参加することにしました。
http://www.forestyle-home.jp




2010.08.03 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

オーダー和紙をつくりに小原村へ

ご年配の方の住宅のお仕事で、長年使われた障子を屏風として再利用する
ことになりました。

障子紙の見本帳を見ても、ふさわしい和紙が見つからず、お施主さまの
ふっとした一言「雲竜和紙の由来って、空に竜が昇るイメージかなぁ」 

私の中で、空に舞いのぼるグラデーションになった雲竜和紙が作りたく
なってきました。

愛知県は素材の産地の宝庫です。
和紙、木材、瓦、陶器、御影石、繊維 などなど。 
今まで、建材を規格品の中から選出することが当たり前でしたが、

素材の素質を知ることで、適切な使い方を理解することが出来る。

素材が生まれる過程を知ることで、応用を効かせたオリジナルを生み出せる。

素材を作る方々とふれあうことで、作り手と使い手をつなげることが出来る。


もう一歩、素材に踏み込んだ動きをして見たいと、心が騒ぎだしました。

まずは、空に舞い上がる雲竜和紙を求めて旧小原村へ足を運びました。
日常使いの建築材料としての和紙なので、作家を訪ねるのではなく、
観光協会へ相談し、和紙のふるさと工芸館を紹介していただきました。

そこでは、和紙漉き体験が出来る場所になっているのですが、奥の畳の間へ
通していただき、こうぞの国産とタイ産の違い、漉き方のバリエーション、
竹簾と金簾との違い、染色など和紙のお話をいろいろ聞かせていただきました。

そして、その場で注文をすることも可能でした。
たとえば、大きさはもちろん(900×1800まで)こうぞの産地、色合い、雲竜の
大きさ、チリやスサの配合具合など、自由に要望を出して応じていただけます。

900×1800の手漉き和紙をメーカー通して注文するとびっくりするほど高いのですが、
このように直接製造元で注文すると、以外とお値打ちなのです。


3回ほど通って、いよいよ屏風に貼る雲竜和紙の制作に立ち会うこととなりました。


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雲竜となるこうぞ、漂白していない素材の色でお願いしました。

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大きな漉き用の版にまずは全体にふのりで融いたこうぞを流し込みます。

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グラデーションとなる雲竜のこうぞをそ~と流し込み、手作業なので慎重にゆっくり傾けます。
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3日ほど天日干しをして完成です。
結構厚みのある和紙となり、障子の桟に納まるかしら。。。と心配しつつ建具屋さんへ


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一週間後に、屏風の完成です。 腰窓の障子が生まれ変わりました。

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雲竜が昇っていく感じ、伝わりますか。光を透かすとさりげなく浮かび上がります。


このように、オンリーワンの素材を住まいの中に取り入れることで、
日々の生活に豊かさが増し、愛着の一部となって永く使ってもらえると嬉しい!
ですね。



2010.03.15 | | コメント(1) | トラックバック(0) | 素材のふるさとを訪ねて

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プロフィール

Liv設計工房

Author:Liv設計工房
http://www.liv-sekkei.com
愛知~関西をフィールドに
心地よい住まいづくりの
女性建築士 川口亜稀子
の日々を紹介しています。

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