大阪レトロ建築
大阪の船場界隈に大正~昭和初期の建物が多く残されています。
その建物郡を巡るレトロツアーを企画中で下見に行ってきました。
地下鉄北浜駅を降りて南にすぐ見えるのが、新井ビル
元は銀行だった重厚な佇まい。おしゃれなカフェ&ケーキのお店になっています。
同じ並びに見えるのが高麗橋野村ビルディング
最近保存する為の改修を行われた様子で、建物全体がきれいになっていると共に
タイルの落下防止のピンニング(樹脂を注入する工法)の跡がみられます。
両サイドに波と月の形をした照明オブジェが配置され特注タイルが施された
メインの入口が素敵です。
このように風格あるデザインが施されているのもこの時代ならではでしょうか。
入ったところのエレベーターホール、床の円形は十二支で表現された方位が
示されています。
広い道路には、元銀行やオフィスビルなど大きなレトロ建築が多く残っています
が脇道に入ると、3~4階建ての小ぶりで昭和初期の優雅な建物が見つかります。
甲子園と同じ蔦が這っている青山ビル
地下にダンスホール、最上階にはビリヤード場がある個人邸宅だったそうです。
今はカフェや雑貨ショップなどが入るテナントビル。
階段廻りが当時の雰囲気を残しています。
青山ビルに隣接する伏見ビルも同じように沢山のテナントが入るビル
ですが、入口のしつらえが、入居者やオーナーに大切にされている
様子が伺えます。
そして少し西に歩くと船場ビルがあります。
外観からは判らないのですが、中に入ると光が差し込む開放的な造り
中庭を囲むように配置されたオフィスの入口、緑の色彩がモダンで一瞬
ヨーロッパのビルの中にいるような気分になります。
屋上に上がると入居者の憩いのガーデンとなっています。
ビルの谷間の隠れたオアシスですね。
大阪のビジネス街に点在するレトロ建築、入居待ちもある様で
おしゃれなお店などが入り利用されることで、生きた保存となっています。
きっと寒いや狭い、設備が古いなど今の建物と比べると不便なことが
多くあると思いますが、それ以上の魅力を感じる風合いや個性がある事が、
後世に残る要因ですね。
戦前の豊かで遊びごころのある時代背景もありますが...
2011.09.16 | | コメント(1) | トラックバック(0) | 建物・ショップ探訪
