いわき市仮設住宅の見学
今年は茨城県にて(公社)建築士会全国大会が開催され
参加した翌日、もう少し足を延ばして福島県いわき市へ訪れました。
駅前や住宅街は大惨事の爪痕が少しみえますが、外からの印象は
復興も随分進み平穏な街に見えました。
バスで20分程走り、木造仮設住宅が並ぶ地域へ向かいました。
2件で1棟の住宅が並んでいますが、広い敷地にゆとりを持って建設
されているので、日当りも良く簡素な造りですが和やかな雰囲気。
歩道や庭部分に野菜や草花を植え、それぞれの家庭の個性も生まれています。
福島原発の南西に位置する楢葉町の方々が移住されていて、
立ち話をされているご年配の方々のお話を伺いました。
「仮設住宅に移って1年半、やっとここに慣れたよ。
放射能の影響でもう生きている内に故郷へ戻れるとは思ってない、
ここで暮らしていく覚悟が出来てるよ。
町ぐるみで引越してる為、知り合いの方も多く、ここでは貧富や年齢の差も
関係無くなり、皆平等な環境で過ごしているので、上を見ればキリがない。
皆親切で良く対応して下さっているので、満足しています。」とのことでした。
ではありますが、故郷に戻れない切なさは測りしれません。
地震国日本の地に悲しむ人々を増やさない為にも脱原発!を強く望みます。
そこから1km以内にプレハブの仮設住宅群があるのですが、
密集していてプライバシーも守りにくく窮屈な印象です。
木造群は土と植物が似合い、プレハブ群は無機質で寒々しく
人の住まいとしての環境の違いを感じました。
東日本大震災では、原発の問題もあり仮設住宅は一時的住まいではなく
現実は長期に渡って生活する場となる可能性があります。
だからこその造り方が重要であることを感じました。
2012.10.25 | | コメント(0) | トラックバック(1) | 日々のできごと
